オーストラリア初共有馬シェイラライズド19ことBRINICLE (ブライニクル)、骨折により治療期間にはいっていますが最新の近況レポートが更新されました。
早速確認してみましょう。
BRINICLE(ブライニクル)
2歳 牡馬
フォックスウェッジ×シェイラライズド
(シェイラライズドの2019。2番仔)
アーロン・パーセル厩舎
初のオーストラリア共有馬!
オーストラリアでG1を勝ち、産駒からもG1ウイナーが出ているフォックスウェッジ産駒!
2022/05/09 更新情報
ブライニクルは現在も放牧地で休養を行っています。
本馬は今週中に骨折箇所のレントゲン撮影を行う予定で、膝の状態を確認してから運動開始時期を決めます。
また先日、本馬の視察を行ったところ、放牧で馬体が非常に逞しくなってきた一方、首の太さも目立ちつつあり、喉なりのリスクを懸念しています。
今現在は喉鳴りの兆候はありませんが、これ以上首が太くなりますと喉鳴りになる可能性がある事も考え調教師と協議を行いました。
調教師からは喉鳴りの心配を考え、厩舎に戻す前に去勢を行ってから調教を開始する方が良いのではないかという事となりました。
調教を開始してから喉鳴りを発症する事となりますと、調教を中断して去勢を行わないといけなくなる為、デビューがさらに遅れる事となりかねません。
このタイミングで去勢を行い、そのあとスムーズに調教へ向かえる事が最良と考えてのご提案です。
去勢をする事で一旦脂肪も落ち、喉鳴りになるリスクを減らす事が考えられます。
(去勢を行えば喉鳴りにならない保証はありません)
オーストラリアでは去勢を行うことは一般的で、馬体が重たくなりすぎる事を避ける事もでき、足元への負担を軽減して息の長い現役生活につながるとも考えています。
ただし、最終的に去勢を進めるするか否かは共有馬主様各位の判断となるため、現時点で去勢手術を行うかどうかを、共有馬主様間の特別決議によって決めさせて頂きます。
この時点での去勢を希望される場合はその旨を5月13日までに本メールへの返信頂くか、弊社スタッフにお伝えください。
60%以上の馬主様が去勢を希望される場合はこのタイミングで去勢を行い、運動を開始いたします。
※特別決議とはシンジケート証書にも定められている通り、60%の馬主が同意した場合にのみ決行される事柄です。引退、売却、去勢といった判断が特別決議によって行われます。
骨折明けに突然の去勢の提案となること、大変申し訳ございませんが、本馬にとっては最善の判断と考えております。
今回の去勢について、または本馬の今後の予定につきましてご質問等ございましたら、お気軽にお問合せください。
2022/05/09 去勢についてのご質問のお答え
お世話になっております。
先程のレポートに関していくつかのお問合せがございましたので、共有馬主皆様へお答えを共有させて頂きます。
● 去勢手術費用の負担は、各共有馬主で割ることになりますか?
去勢手術の費用につきましては毎月の固定預託料にてまかなえますのでご安心ください。
近日中の調教復帰を予定しておりますので、無事に調教を再開した場合は現在調整中の固定預託料が平常の金額(月額$90+マネージメント料)に戻る点だけご了承ください。
● 去勢手術をする場合、いつ頃を予定しますか?
こちらにつきましては特別決議で去勢する事が確定した場合、獣医師の都合がつき次第至急行う予定です。
早ければ5月第3週中には行えると考えています。
● 去勢手術後の調教、デビューの見通しどのようにお考えでしょうか?また去勢によるデビューの遅れはありますか?
現時点での去勢による、入厩時期の遅れやデビューの遅れはほとんどありません。
レントゲンの結果次第ではございますが、去勢の有無に関わらず近日中に調教復帰を行い、デビューに向けて再調整していきます。
入厩後に調教及び、ジャンプアウトがスムーズに進めば最短で明けて3歳となった9月頃のデビューが目標となってくると思います。
●喉鳴りになった場合には、どうなりますか?
喉鳴りを発症した場合には、喉鳴りの症状の度合いにもよりますが、喉の手術を行う必要があります。
この場合の手術費用は$4000〜5000を想定しており、手術費用として各共有馬主様へ1口100ドル前後の費用の負担が生じる可能性があります。
また、調教も中止し放牧となるため、しばらくはレースへの出走が出来ません。
●去勢のメリット・デメリット
去勢をすることで、喉鳴りが発症するリスクを軽減すること、気性も安定し扱いやすくなること、筋肉が柔らかくなるため故障のリスクが軽減すること、そして競走寿命が伸びて長く活躍できることがあります。
また牡馬はホルモンの関係上脂肪が付きやすく太りやすいということもあり、この辺りも喉鳴りのリスクを高める原因となります。
オーストラリアの競走馬は血統的にも筋肉量が多く、こういったタイプの馬は喉鳴りや故障のリスクが高くなります。
このリスクを軽減するためデビュー前から去勢をすることは、オーストラリアでは一般的です。
デメリットとしては、種牡馬になる可能性が閉ざされることとなります。
オーストラリアではせん馬になることで出走が不可能になるレースはございません。
●気性的に何か心配な感じとかがあるのでしょうか?
現時点では勝ち気な気性ではあるもの、去勢をしなければならないというほどの気難しさは見せておりません。
2022/05/14 特別決議の結果及び近況レポート
この度、去勢についての特別決議をいたしましたが、賛成反対のみならず様々なご意見を頂きました。
お忙しい中でご返信してくださいました共有馬主の皆様、誠にありがとうございました。
特別決議の結果は以下のようになりました
賛成 82.5%
反対 2.5%
その他 15%
以上の結果により、今回の決議で去勢に賛成であると投票された馬主様が合計で60%を超えましたので、特別決議の結果に従い去勢をすることとなりました。
近日中に去勢手術を行います。
また、骨折箇所のレントゲンの撮影も一昨日に行い、獣医からは患部は完全に回復し調教復帰が可能であるとの診断を受けました。
去勢手後はすぐに運動を行う事で去勢箇所の治癒がスムーズに行えるとの獣医の指示もあり、去勢手術後に問題なければすぐでも怪我のリハビリを開始いたします。
5ヶ月以上の休養後ですので、まずは現在の放牧先であるタワーヒルロッジで調馬策でのロンギ掛けを1週間から10日ほど行う予定となっています。
その後問題がなければ、パーセル厩舎のあるワーナンブール競馬場へ入厩いたします。
クロキリ感想
2021年11月に第3手根骨の亀裂骨折がみつかり、療養期間に入っていますブライニクル。
最近は概ね「経過は良好です」というような更新が続いていたのですが今回はメールを開いたらご覧の通りの長文が!
何が起こったかと思いましたね(笑)
内容としましては身体が大きくなってきて牡馬は脂肪がつきやすいことからこれから喉鳴りのリスクが出てきそう、丁度骨折療養中で追加して療養期間をおく必要もないし、このタイミングで去勢手術してみるのはいかがでしょう?
というもの。
一口馬主やっていると去勢と言えば気性が荒い馬を落ち着かせるためにやるか、引退後乗馬になる仔に行うイメージが強いですが、気性に特別気になることがなくてもこういう理由で行うケースがあるんですね。
お国柄の違いかなぁと感じましたが、日本でも同じような理由でやる場合もあるんでしょうか?
どちらにしてもオーストラリアの方が多そうではありますけどね。
去勢やるかどうか意見を聞いてくださるなんて一口馬主では(少なくとも私が知る限りでは)無いことなので、ちゃんと馬主なんだなぁと実感するとともに、1頭の馬の今後を左右する決断を迫られているのかと改めて背筋が伸びる思いでした。
結果的に私も投票させていただいた賛成票が多数で去勢されることになりましたが、いつか振り返った時にBrinicleにとってプラスだったよねと思える決定になっていると良いなと思います。
思いがけない手術となりましたがようやくデビューに向けての見通しも立ってきました。
ここから順調に進んでいくことを願って、次回更新も楽しみに待ちたいと思います!
※画像・動画・コメントはRising Sun Syndicate(https://www.risingsunsyndicate.com/)さんより。
許可をいただき掲載しております。