どうもクロキリです。
今日は久しぶりに競馬関連以外の本を取り上げてみたいと思います。
角川ホラー文庫シリーズ「そのカメラで撮らないで」。
早速行ってみましょう。
昔からお気に入りの角川ホラー文庫
ホラー映画やお化け屋敷は苦手なのですが、読書に関しては中学・高校くらいからよく角川ホラー文庫のシリーズを読んでいました。
最近は当時に比べると本を読む量は減ってしまいましたが、それでも本屋に行くと競馬本コーナーの次には角川ホラーを探すことが多いです。
今回は妻と待ち合わせした駅地下街の本屋さんで平積みしてあるのを見つけ、手に取ってみました。
著者は吉村達也さん
私が忘れてしまっているわけでなければ、初めて読ませていただく作家さんだと思います。
しかし多くの作品を発表されているベテラン作家さんであるようですね。
正直なところこれまで知らなかったことを勿体なかったなと思いました。
誰にでもオススメできる読みやすい文章という感じではなく、腰を落ち着けてやや気合いをいれて読むタイプの本を書かれる方なのかなと感じましたが、ホラーとSFやミステリーを併せた作風で個人的にとても好きな雰囲気。
2時間強ほどかけて一気に読んでしまいました。
残念ながら60歳という若さで亡くなられているようですが、他の作品も購入して読んでみたいなと思っています。
冒頭から主人公はとにかく不幸
登場人物はそれほど多くありませんのでその点は読みやすいです。
主人公の女性が圧倒的に不幸で、特に第1章で起こる悲劇の描写は本当に恐ろしい生々しさでした。
自分の身近に起こらないとも言い切れない恐ろしさ。
SF小説か、もしかしたら恋愛小説と言っても良いくらいかもしれない作風の本作で最大のホラーポイントはここだったかもしれません。
ネタバレになるのであまり書けませんが、最後はあの人亡くなる必要あったんですかね…?
少なくとも手放しの祝福で終わるようなハッピーエンドではありません。
しかし終盤の北海道でのシーンの描写は確かに綺麗です。
原題は「蛍坂」
この「そのカメラで撮らないで」は2009年にワニブックスさんより刊行された単行本「蛍坂」を改題し文庫化したものなんだそうです。
読んでみた感想としては私としては原題の方がしっくりくるなという感じなのですが、確かにこのタイトルに惹かれて私も手に取りましたし、原題のままであったらどうだったかわからないなと考えると改題して正解だったのでしょう。
まんまと作戦に乗せられたということですね。
いや、おかげで良い本に出会えましたが。
まとめ
・そのカメラで撮らないで
・著者 吉村達也
・初版 2018年12月(文庫本版)
・発行 KADOKAWA
・頁数 277ページ
・定価 640円+税
・ジャンル SF系(角川ホラー文庫なので売り場は多分ホラー)
・クロキリのオススメ度★★★☆☆
角川ホラー文庫となっていますが、ホラーというよりはSFとか、もしかしたら恋愛小説と言っても良いくらい。
オバケのでないホラーやホラーっぽくないホラーは個人的に好きなジャンルなので楽しく読めましたが…うーん、ホラーを期待して手に取った方は満足いかないかもしれませんね。
因みに登場人物が歴史や文化に関してアツく長く語るシーンが時々登場しますが、苦手であれば流し読みしてしまってもストーリーには特に影響ありません(笑)