どうも、暫く愛馬の出走がなさそうなクロキリです。
ルナティアーラ辺り出てきてくれないかなぁ。
まだゲート試験もパスしてないけど。
さて、そんなことを言いつつ今回は馬関連本以外のご紹介。
第24回ホラー小説大賞読者賞受賞作。
野城亮氏の「ハラサキ」です。
早速いってみましょう。
日本ホラー小説大賞読者賞受賞作
小説を読む時何かの賞を獲っているかどうかという点はあまり意識した事がなかった私。
この賞についても今回初めて調べてみたのですが、角川文庫さんが主催なんですね。
プロアマ問わず応募できる新人発掘の目的がある賞らしく、今回の野城亮さんもこれがデビュー作になるようです。
最近では岡田准一さん主演で映画化された澤村伊智「ぼぎわん」(映画タイトル「来る」)、過去には貴志佑介「黒い家」、大賞ではありませんし角川文庫でもなかったように記憶していますが高見広春「バトル・ロワイヤル」などがこの賞から出てきており、読んだことがある作品も多くありました。
読者賞は近年新設された部門で、選ばれた一般モニターの方の支持で決まる賞だそうです。
とここまで調べたのですが、この日本ホラー小説大賞は昨年までで一区切り。
今年からは「横溝正史ミステリ大賞」と統合され「横溝正史ミステリ&ホラー大賞」となるようですね。
大賞か読者賞に選ばれるとKADOKAWAから刊行!
小説を書く予定はありませんが、本を出すって読書好きとしてはやはり憧れますよね。
登場人物は少なく、舞台も1つの田舎町
この作品は主人公とほんの少しの関係者のみで話が進んでいきます。
メインで覚えなければならないのは4-5人程度です。
更に最近は登場人物全員が奇抜な名前で覚えにくい、という作品もよくありますが、この作品はそんなこともなく有難いですね。
温泉観光が有名という設定の竹之山という田舎町が舞台ですが、温泉や観光がキーになることは特にないので覚えなくても大丈夫です。
それに対し「田舎町である」という点はこの話のポイントの1つだと思います。
竹之山温泉は実在する?
Google先生に聞いてみたところ、竹之山温泉という温泉は実在するようです。
ただし鹿児島県となっており、作中深い雪に覆われていた本作の竹之山温泉とは関係なさそうですね。
作者さん千葉の出身みたいですし。
明るい内容ならまだしも、ホラー小説だし当たり前か。
文章力が凄い!
風景の描写、グロテスクな部分の表現、物語の構成と凄いです。
文章が読みやすいのでスラスラ読み進めることが出来ます。
これがデビュー作か…
抜粋してお見せしたいくらいですが、著作権等に引っ掛かるといけないので断念。
序盤で最初のホラー要素が早速出てきますが、この作品のホラーはそんなものではないんです!
読み始めたら途中で見限らず、是非最後の一行まで読みきってください。
それに対して
主人公を含め、感情移入しやすいキャラクターが少ない(いない)気がします。
少なくとも「個性豊かな登場人物達!」みたいな紹介はされないのではないですかね?
人物の心理描写が少ないのでしょうか?
設定上わざと?
それとも、この点はこの作家さんの今後の伸び代部分?
賛否が分かれる部分なのかなと思いますが、個人的にはこの作品はそれで良いように感じられました。
誰かに感情移入しすぎると、恐らく物凄く重いです。
バランスをとった結果なのかもしれません。
著者の野城さん、現在執筆活動をされているのかわかりませんが次回作も是非読ませていただきたいですね!