4月7日。
2024年のクラシック戦線開幕を告げる桜花賞の当日となりました。
今年は出資馬スウィープフィートがチューリップ賞勝ち馬として武豊騎手を背に堂々参戦。
出資馬初のクラシック出走を果たしてくれそうです。
クラシック、やはりちょっと特別な感じがしますよね。
私は「競馬にハマったきっかけになったレースは?」と聞かれたら2017年の天皇賞春とその年のヴィクトリアマイルと答えるのですが、「一口にハマったきっかけは?」と聞かれたら最初に思い浮かぶレースは2018年の皐月賞です。
エポカドーロが戸崎騎手と共に優勝したレースですね。
スポーツでもドラマでもなんでもそうだと思うのですが、何かを初めて見たり体験したりする時って「そこにある知っている人や物」が最初の注目ポイントになることが多いのではないでしょうか。
例えば野球なら「野球特に詳しくないけど、大谷翔平選手って最近よく聞くな。どの人だろう?」とか、「この映画、舞台が自分の地元らしいから監督も役者さんもよく知らないけど見てみるか」と言うように。
クラシックレースって、その点からいくと競馬初級者的には興味を持ちやすいポイントが少ないレースだと思うんですよね。
騎手は勿論最高の顔ぶれが揃っていますが、主役の馬の方は特に桜花賞と皐月賞の時点ではつい最近まで2歳だったキャリア4戦前後くらいの若馬のみ。
G1常連だったりしてテレビやネットニュースでよく聞く有名なあの馬、みたいな馬(当時で言えばスワーヴリチャードや前年引退したキタサンブラック、サトノダイヤモンド、シュヴァルグランのような)は出てきません。
更に初級者ですから、この馬は○○の初年度産駒!などと言われてもその○○という種牡馬の現役時代を知らないわけで(人にもよるかと思いますが)そこに強く惹かれることも少ないと思われますし、内容や時計が優秀だったからと言ってその凄さに気付くこともなかなかできないと思います。
上述した2017年の天皇賞春から競馬を始めた私にとって2018年は初めて1年通して競馬を見ることができることになった年で、当然クラシック戦線を最初から見るのも初めて。
実際この皐月賞の前週、桜花賞を現地観戦していますが「へぇー1番人気の馬が勝ちそうだったけど最後差し切ったのか。かたい決着だったな。馬券外れちゃった。お客さん盛り上がってたなぁ」くらいの感想でした(勝ち馬ロードカナロア初年度産駒のアーモンドアイ。2着1番人気ラッキーライラック)
それでもこの年の皐月賞が強く印象に残っているのは、5着に入ったあるクラブ馬とその出資者のおかげです。
キタノコマンドール。
前年に発足したDMMドリームクラブの初年度募集馬。
私の競馬デビューに立ち会ってくれて、DMMにも一緒に入会した友人がこのディープインパクト産駒に出資していました。
桜花賞観戦に共に向かう道中、出資馬初のクラシック出走でソワソワする友人が「現地行っちゃおうかな⁉」と言い、私が「行くならついて行くわ」と答え2週連続の遠征が決定。
その場にいたそれぞれの妻は半笑いでいってらっしゃいと言ってくれました。
初の中山競馬場、レースの内容、その日買った馬券がどうだったか。
正直その辺はよく覚えていません。
しかしキタノコマンドールがパドックに登場した時の友人の嬉しそうな様子、レース後の帰路 出走権を獲得したダービーに向けて興奮した様子で語る姿を見て、あぁ一口馬主って良いな、面白いなと強く感じたことははっきりと覚えています。
それから6年。
ダービー後に故障引退したキタノコマンドールは種牡馬になり、友人は地方馬主の資格を取得して最近はそちらがメインに。
コロナ禍などもありそれぞれ大きく環境も立場も変わっていくなか、クラシックどころかなかなか中央での勝利を挙げられず苦しんだ時期もありつつ一口を続けた私は、当時思っていたよりも随分遅くなりましたが、皐月賞と桜花賞という違いもありますが、ついにあの時のキタノコマンドールと同じクラシックの舞台で出資馬が走るという機会を得られることになりました。
6年分しっかり歳をとり、あの時愛知から阪神、中山へ2週連続で遠征し1日中競馬場内を歩き回った体力はどこへやら、妻と共に一休みできる指定席の確保を目指し残念ながら抽選に外れ、翌日以降の仕事等への影響も考慮した結果現地観戦は見送ることとなりましたが、この高揚感はやはり一味違いますね。
どこで観ていても全力応援の気持ちは同じ。
全人馬大きなアクシデント無く無事に走り切り、将来気持ちよく思い出を語れるような良いレースになってくれるよう願っております。